合氣の剣

合氣の剣(太刀技)

合氣道(惟神合氣道)の剣術 武産合氣會

合氣道独特の剣術を合氣之剣と謂います。

合気の剣 八相の構え
武産合氣會 合気の剣
組太刀 八相八方の基本となる構え

剣の理合い云々、剣を体術に活かすという話をよく聞きますが、それは合道としては結果に過ぎぬ云わば当然のことで、合道は剣の技が体術に繋がることが多いのです。したがって合道の体術で上手く相手を、その前に自分の身体を捌くには剣に通暁していなければなりません。柔道・柔術とは大きく異なるのがその身体の使い方なのです。ただ、剣術が目立ちますが一方で杖術と体術・体技の連関はさらに強く、剣と共に杖にも習熟せねばなりません。本来共に習熟すべきですが、合氣の杖の簡単な説明はこちらを参照してもらうとして、ここでは剣術の話を進めます。(但し以下は概ね余談です。合氣剣の内容については入門後)

開祖入神後数十年で、太刀取り・短刀取りを剣術と勘違いする者がすっかり多くなってしまったのが狭い合気道界の笑える哀しい現実ですが、まことは剣に対するというよりも剣さらには杖を使うように身体を使うのが合氣の体術です。勿論それだけではないのですが、似て非なる大東流との違いも歴然としており、軽い竹刀を使った一対一正面だけを相手にする試合に特化した現代の剣道とも全く異なります。合の剣は前後左右、四方八方全てを相手にし、柔軟です。全てに剣氣を払い流し制します。剣術に通暁し、さらに難しい二刀にも慣れることが合氣道を真に修める端緒となります。

今では合気道家を名乗りながら(合氣の)剣も杖も殆ど知らぬことが多いのは開祖入神前後の騒動に遠因があるのですが、その経緯を知らぬ者が大半となってしまいました。とはいえ全く無くなってしまったわけではなく見れば少しはあることに気付くでしょう。付足しのようで刀の原理を全く無視した緩い型としか言えぬ代物に過ぎませんが。これでは剣が面白いとは到底思えないでしょう。どこまでいってもオマケの剣です。体術も同様ですが、開祖の関与せぬ規範集等を作ってしまったのでそれが全てとなってしまい、剣はそれを僅かに膨らませる程度で剣術とは到底言えぬほど特に貧弱になってしまいそれがもはや普通なのです。最近は我々の啓蒙も少しは寄与したせいか合氣道には剣(杖も)が大切だということを遅ればせながら知り、全く剣技を知らぬのに軽い木刀を買い求め見様見真似で振ってみせたり、今ならネットで表面上の(出稿者が見せたい)剣術を真似る者もいます。やらぬよりはましですが、繋がりが分からないでしょうし、概ね単調ですぐに飽きてしまいます。

平和で安全な日本(幸せなことです。このような日本を築いてくれた先人に感謝しましょう)では幸い実戦を経ることはまずありませんが、開祖に学んだ上、荒くれものの多い嘗ての船舶業界で海外勤務の長かった会主より伝わる剣・杖・短刀術より成るのが当会の武器体系です。結果として合氣の太刀(剣)取り・杖取り・短刀取りにも繋がりますが、ネット上にも流布され簡単に真似し易い岩間流や心身統一…の武器技とは全く異なることに留意下さい。なお、短刀は下衆げす無恥むちに繋がり易いことから中下位の段階の人や子供は短刀稽古を行いません。余談ながら、合氣の品位を落とさぬよう短刀術及び短刀取りは体技上位稽古に達したうえで下記条件にも該当する人に希望に応じて剣対短刀、短刀(操法)術から太刀取り、短刀取りの指南を行うこともあります。

体術と同じく剣も始めは当然ながら一般的な基本技が続きます。それでも多くの人にとっては覚えるのが大変な量ですが、少なくとも当会における基本の体技、呼吸を身に着け、世界で最も古い国日本に生まれ日本人としての明確な国家観を持ち、日本人として生まれたことに誇りを持てるようになる人にのみ、それまで習得した技術をさらに活かす形でその先に進んで貰います。当会の術技の根幹は概ね門外不出、せいぜい写真でのみその一部公開しか許されていません。実技が基本であり虚飾に溢れたネット動画等ではほとんど出せません。他者の目のある公開の場では禁忌に触れる技稽古はしません。興味のある人はまずは当会体験稽古を経て入門下さい。その人次第で時を経る要がありますが各種の剣の独技、組技を学び、剣捌き(杖も)が上達することが合氣道の技術向上につながることを身をもって示します。

例えば、初級を少し過ぎた頃に習う「八相八方」という独剣の技は、八相の構えという「斬るなら斬れ!」という気迫を表した構えと、眼前後(恒)心が命題となり、四方八方の敵に対処し、打克つ太刀の方法、はたらきをあらわした組太刀です。天地中にすっと立って四方八方の敵を打ち払います。

 

<初段取得までに修める剣術(太刀)>

主な型(組太刀)

佐武波羅之太刀の一部

・正面八方打ち

・横旋風 各種

・転換打ち 各種

・青柳 各種

・佐武波羅一之太刀(攻守)

・八相八方(独剣)

・佐武波羅之柳刀(攻守)

※二段以降では佐武波羅之太刀の中盤以降から真剣之太刀まで修めて往きます。 さらに技量が求められ技を深めます。

 

ー武産合氣會ー



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